## 「若貴ブーム」以来、満員札止めが続く大相撲今回はレジャー関連株についてまとめてみます。大相撲名古屋場所がにぎわっています。3場所連続の優勝を狙う新横綱・大の里が注目されるのはもちろんのこと、横綱に昇進して3場所目の豊昇龍とともに東西の両横綱が番付に並んだのは4年ぶり。完成したばかりの「IGアリーナ」に会場が移って装いも新たになりました。年6回開催される大相撲の本場所の会場が変更されるのは、1985年の両国国技館が落成して以来、40年ぶりのことだそうです。初土俵から13場所目の史上最速で横綱に昇進した大の里はまだ24歳です。新横綱以外にも若手の有望力士が次々に土俵に上がり、どの取組も力の入った熱戦が繰り広げられています。お客さんにも現在の勢いが伝わっていて、名古屋場所の入場券は売り出してすぐに完売。15日間の「満員札止め」が確実です。2024年は年6場所の90日間すべてで「札止め」となり、今もその状況が続いています。年6場所すべて「札止め」は日本全国で「若貴ブーム」が起こった1996年以来、28年ぶりのことです。## コロナ禍を耐えた各種興行団体の創意工夫が結実観客が殺到しているのは大相撲ばかりに限りません。プロ野球はセ・パ両リーグを通じてどのカードも大勢の観客が集まっています。サッカーJ1、ラグビーリーグワン、バスケットボールBリーグ、アーティストのコンサート会場、映画館。どの競技、どのイベントにも多くの人々が集まり、興行的には大きな成功を収める事例が相次いでいます。極めつけが大阪・関西万博です。開幕前後はかなりの苦戦が予想されていましたが、ふたを開けてみれば連日の大盛況で、会期の半分が過ぎた時点でチケット販売の目標はほぼ達成する見通しとなりました。ミャクミャクの満面の笑顔がひときわ輝いて見えます。コロナ禍の3年間で音楽をはじめ各種イベントやスポーツ競技、興行団体は経験したことがないほどの厳しい状況を強いられました。運営サイドはもちろんですがファンも同様です。その時の苦渋の経験や創意工夫が現在、一斉に開花しています。## 興行、配信、万博関連…4銘柄をピックアップ消費はますますモノから体験へと向かい、コンサートや競技、イベント会場に足を運ぶファン層が拡大するものと予想されます。以下にレジャー関連株を挙げてみます。### 東宝(9602)関西財界の雄。映画、演劇の東京宝塚劇場として発足。東映、松竹と並んで日本映画の「御三家」と呼ばれ3社の中では売上高は最大。帝国劇場とシアタークリエの2つの直営劇場を有し、阪急阪神東宝グループの中核企業である(帝国劇場は建替えのため一時休館中、2030年リニューアルオープン予定)。「ゴジラ」という世界的IPを有しており、最近でも上映する映画がヒット作を連発。「名探偵コナン」「国宝」「鬼滅の刃」「8番出口」などの話題作が豊富。猛暑で涼しい映画館を好む傾向が広がっている。有価証券売却益を計上し第1四半期決算で通期の最終損益を増額修正した(375→435億円)。【図表1】東宝(9602):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)### ぴあ(4337)チケット販売の大手。コンサート、スポーツ、映画、演劇、イベントなどのレジャー・エンタテインメントの領域で存在感が大きい。2024年度は取扱高ベースでの売上高は2700億円に達し過去最高水準となった。コロナ禍の累損もあって前期までは無配だったが、業績の好調を受けて中期経営計画の最終年度である今期は6期ぶりに復配する意向。日本では初となる民設民営の大規模アリーナ「ぴあアリーナMM」は、週末は1年半先まで予約が埋まる人気ぶり。東京駅に直結する「TOFROM YAESU TOWER」に800人収容の劇場も今年オープンする予定。【図表2】ぴあ(4337):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)### ANYCOLOR(5032)VTuberグループ「にじさんじプロジェクト」を運営するエンタメ系スタートアップ企業。「VTuber」とは「Virtual YouTuber」の略で、2D・3Dのアバターを通じてYouTubeなどの動画配信プラットフォームで活動する配信者のこと。芸能タレントやYouTuberのようにリアルの人間がそのまま登場するのではなく、キャラクターを介してバーチャルな世界で活動することが特徴。SNSを通じた双方向コミュニケーションも活発で、タレントとしての活動領域は広い。収益源は動画配信、イベント開催、グッズなどのコンテンツ販売、IPプロモーションなど。グッズ販売のウエートが高く「推し活」の代表的存在。【図表3】ANYCOLOR(5032):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)### 丹青社(9743)百貨店、ショッピングモールなど商業施設の内装を手がける総合ディスプレイ会社。空間ディスプレイの企画、設計が得意で、ほかにも再開発ビル、文化施設を扱っており、今後はホテル・オフィスにも事業領域を拡大してゆく方針。1970年に前回の日本万国博覧会でパビリオンのディスプレイを多数手がけた実績から、今回の大阪・関西万博でも受注を拡大。6月中旬に発表された2025年1月期の第1四半期決算は、売上高が339億円(+49.5%)、営業利益が45.5億円(+204.0%)と急拡大した。早くも通期の業績見通しを増額修正しており、営業利益は60.0→75.0億円(前年比+45.7%)に引き上げたがまだ余力がありそう。【図表4】丹青社(9743):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)
【日本株】連日盛況の大阪・関西万博、スポーツ・コンサートなど各種興行は大賑い、レジャー関連株に注目 | 鈴木一之、次のトレンド銘柄を探る! | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
「若貴ブーム」以来、満員札止めが続く大相撲
今回はレジャー関連株についてまとめてみます。
大相撲名古屋場所がにぎわっています。3場所連続の優勝を狙う新横綱・大の里が注目されるのはもちろんのこと、横綱に昇進して3場所目の豊昇龍とともに東西の両横綱が番付に並んだのは4年ぶり。完成したばかりの「IGアリーナ」に会場が移って装いも新たになりました。年6回開催される大相撲の本場所の会場が変更されるのは、1985年の両国国技館が落成して以来、40年ぶりのことだそうです。
初土俵から13場所目の史上最速で横綱に昇進した大の里はまだ24歳です。新横綱以外にも若手の有望力士が次々に土俵に上がり、どの取組も力の入った熱戦が繰り広げられています。
お客さんにも現在の勢いが伝わっていて、名古屋場所の入場券は売り出してすぐに完売。15日間の「満員札止め」が確実です。2024年は年6場所の90日間すべてで「札止め」となり、今もその状況が続いています。年6場所すべて「札止め」は日本全国で「若貴ブーム」が起こった1996年以来、28年ぶりのことです。
コロナ禍を耐えた各種興行団体の創意工夫が結実
観客が殺到しているのは大相撲ばかりに限りません。プロ野球はセ・パ両リーグを通じてどのカードも大勢の観客が集まっています。サッカーJ1、ラグビーリーグワン、バスケットボールBリーグ、アーティストのコンサート会場、映画館。
どの競技、どのイベントにも多くの人々が集まり、興行的には大きな成功を収める事例が相次いでいます。
極めつけが大阪・関西万博です。開幕前後はかなりの苦戦が予想されていましたが、ふたを開けてみれば連日の大盛況で、会期の半分が過ぎた時点でチケット販売の目標はほぼ達成する見通しとなりました。ミャクミャクの満面の笑顔がひときわ輝いて見えます。
コロナ禍の3年間で音楽をはじめ各種イベントやスポーツ競技、興行団体は経験したことがないほどの厳しい状況を強いられました。運営サイドはもちろんですがファンも同様です。その時の苦渋の経験や創意工夫が現在、一斉に開花しています。
興行、配信、万博関連…4銘柄をピックアップ
消費はますますモノから体験へと向かい、コンサートや競技、イベント会場に足を運ぶファン層が拡大するものと予想されます。以下にレジャー関連株を挙げてみます。
東宝(9602)
関西財界の雄。映画、演劇の東京宝塚劇場として発足。東映、松竹と並んで日本映画の「御三家」と呼ばれ3社の中では売上高は最大。帝国劇場とシアタークリエの2つの直営劇場を有し、阪急阪神東宝グループの中核企業である(帝国劇場は建替えのため一時休館中、2030年リニューアルオープン予定)。「ゴジラ」という世界的IPを有しており、最近でも上映する映画がヒット作を連発。「名探偵コナン」「国宝」「鬼滅の刃」「8番出口」などの話題作が豊富。猛暑で涼しい映画館を好む傾向が広がっている。有価証券売却益を計上し第1四半期決算で通期の最終損益を増額修正した(375→435億円)。
【図表1】東宝(9602):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)
ぴあ(4337)
チケット販売の大手。コンサート、スポーツ、映画、演劇、イベントなどのレジャー・エンタテインメントの領域で存在感が大きい。2024年度は取扱高ベースでの売上高は2700億円に達し過去最高水準となった。コロナ禍の累損もあって前期までは無配だったが、業績の好調を受けて中期経営計画の最終年度である今期は6期ぶりに復配する意向。日本では初となる民設民営の大規模アリーナ「ぴあアリーナMM」は、週末は1年半先まで予約が埋まる人気ぶり。東京駅に直結する「TOFROM YAESU TOWER」に800人収容の劇場も今年オープンする予定。
【図表2】ぴあ(4337):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)
ANYCOLOR(5032)
VTuberグループ「にじさんじプロジェクト」を運営するエンタメ系スタートアップ企業。「VTuber」とは「Virtual YouTuber」の略で、2D・3Dのアバターを通じてYouTubeなどの動画配信プラットフォームで活動する配信者のこと。芸能タレントやYouTuberのようにリアルの人間がそのまま登場するのではなく、キャラクターを介してバーチャルな世界で活動することが特徴。SNSを通じた双方向コミュニケーションも活発で、タレントとしての活動領域は広い。収益源は動画配信、イベント開催、グッズなどのコンテンツ販売、IPプロモーションなど。グッズ販売のウエートが高く「推し活」の代表的存在。
【図表3】ANYCOLOR(5032):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)
丹青社(9743)
百貨店、ショッピングモールなど商業施設の内装を手がける総合ディスプレイ会社。空間ディスプレイの企画、設計が得意で、ほかにも再開発ビル、文化施設を扱っており、今後はホテル・オフィスにも事業領域を拡大してゆく方針。1970年に前回の日本万国博覧会でパビリオンのディスプレイを多数手がけた実績から、今回の大阪・関西万博でも受注を拡大。6月中旬に発表された2025年1月期の第1四半期決算は、売上高が339億円(+49.5%)、営業利益が45.5億円(+204.0%)と急拡大した。早くも通期の業績見通しを増額修正しており、営業利益は60.0→75.0億円(前年比+45.7%)に引き上げたがまだ余力がありそう。
【図表4】丹青社(9743):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年7月24日時点)